憧れのロックバンドのライブ撮影を夢見る、伊賀市桐ケ丘1丁目の高橋美希さん(24)は、音楽バンドのライブカメラマンとして活動を続け、夢に向かって進んでいる。【愛用のカメラや自身の写真が採用されたCDなどを手にする高橋さん=名張市南町のYOU事務所で】

憧れのバンド追いかけ

 将来を模索していた大学4年の時、好きだったロックバンド「ワンオクロック(ワンオク)」の音楽が改めて心に響いた。ライブに駆けつけ、大阪市内であった写真展で衝撃を受けた。「ライブ感がそのまま写真に表現されていた。すごい、自分も撮りたい」と心を突き動かされた。

 それまでカメラに興味はなかったが、すぐさま一眼レフのデジタルカメラを購入。名古屋市内に住む知り合いのイベンターに「何かできることはないか」と連絡を取ったところ、岐阜市を拠点に活動するインディーズ音楽バンド「KUZIRA」のライブ撮影を頼まれた。

 思わぬチャンスに、夢中でシャッターを切り続けた高橋さん。「『いけてる』と思っていたけど、仕上がりを見て『あれっ』と思った」。理想との落差に、現実を感じたそうだ。

 以来、撮影技術などを独学し、さまざまなカメラマンの作品を研究して感性を磨いた。幸い「KUZIRA」のメンバーは写真を気に入ってくれ、東京や大阪でのライブにも帯同するようになった。

 大学卒業後も、アルバイトをしながらライブ撮影を続けた。その活動がきっかけで縁が広がり、さまざまなバンドから声がかかるようになった。最近では1か月に10ステージほどカメラマンとして参加している。

 東京で活動する音楽バンド「OWEAK」が今年4月にリリースしたCDジャケットも高橋さんの作品で、6月9日(日)まで名古屋市中区の「cafe DODO」での写真展も決まった。「飛び込んでいく行動力とさまざまな縁が、今の自分を育んでくれた」という。

 今後に向けては「地元のカップルフォトや家族フォトにも挑戦してみたい。そして、いずれはワンオクのライブも撮れるように」とはにかんだ。

 高橋さんが撮影したライブ写真は、自身のホームページ(chonphoto009.amebaownd.com)に掲載している。

2019年5月25日付748号2・3面から

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