「山歩き楽しんで」 伊勢市の愛好家グループ

 伊勢湾を望む青山高原から、地元の人しか知らない民家の裏山まで、伊賀地域にある81の山を実際に登り、ルートや眺望、歴史などをまとめた書籍「伊賀青山81山」を、南勢・東紀州地区を中心とした登山愛好者のグループ「伊勢山の会」がこのほど出版した。【書籍の表紙写真は旗山(伊賀市柘植町)山頂付近の三角点】

 同グループでは1990年ごろから、地元を中心に、訪れた県内各地の山々の情報を、地形図や地元の人たちの情報、郷土史などを頼りに集め、地域ごとのガイド本として発行してきた。96年に「伊賀・名張・曽爾の山22山」がまとめられたが、伊賀地域では販売していなかった。

 今回収録したのは、2014年から18年にかけて訪れた山で、柘植川、服部川、木津川、名張川の各水系に分けて掲載。津市境の「伊賀越」から登り、名前にもなっている黒い岩を探した「黒岩岳」、特徴的な名称に関心を持った大山田・出後の「火燃山(ひともしやま)」、曽爾村との境に近く、地元の人たちが付けた案内看板に感謝しながら登った「三国山」など、印象深い場所が多かったという。 【笠取山に登り記念撮影をする伊勢山の会のメンバー(同会提供)】

 メンバーは、高度経済成長期以前の〝炭焼きの道〟や、舗装道路ができる以前からあった峠道など、古くから使われている山道を選んで登ることが多いそう。福井正身会長(伊勢市辻久留)は「地元の方が道をつけてくれているところも多く、登りやすい山が多かった印象。本を手に取って頂き、山歩きを楽しんでほしい」と話した。

 書籍は税込み1500円で、岡森書店やブックスアルデの各店、コメリ書房上野店など伊賀地域の主要書店、大山田温泉さるびので販売している。

 問い合わせは福井会長(0596・25・0075)まで。

2019年4月6日付745号19面から

- Advertisement -