昼夜の気温差が激しい伊賀盆地の豊かな土壌で育てられた、太くてずっしり重い白ネギ「芭蕉ねぎ」。農業用や園芸用の土を生産、販売している伊賀市槙山の株式会社秋本天産物が地元のJAいがふるさとと連携し、一昨年に栽培を始め、昨年末から出荷を開始した。今後ブランド化し、伊賀の特産品に育てるという。【圃場で芭蕉ねぎを手にする秋本社長(左)と阿山営農センター指導員の今矢成一さん=伊賀市槇山で】

 同社の秋本順次社長(68)は「我々、団塊の世代が70歳前後になり、何とか農業を続けていますが、10年後には体力的にも厳しくなるし、若者も戻ってこない。既に耕作放棄地も増えており、このままではいかんという危機感からスタートしました」と話す。

 そこで、大きな初期投資がかかる米作りではなく、園芸作物で露地栽培する白ネギに目を付けた。「近江八幡市の『信長ねぎ』や甲賀市の『忍葱』は既にブランド化され、1本当たりの単価も市販品の約3倍で売れています。米の収穫が終わった11月から2月が収穫のピークになるため、農閑期を有効に使えるのも利点」。

 現在、商標を申請中で、ネギの白い部分が25から30㌢、重さが150グラム以上という独自の規格も設けた。今年度はJAいがふるさと営農振興基金を活用し、ネギ調整機を導入。収穫後の根切り、皮むき作業の効率化を図った。今後は、JAいがふるさと阿山営農経済センターが栽培農家をとりまとめ、販路を拡大しながら生産規模の拡大、ブランド力の向上を目指していく。【裁断・皮むき・梱包作業をする加工場】

 昨年12月には近隣農家10軒を招き、同社で見学会を開催。参加者は加工場で、収穫したネギの余分な根や葉を裁断し、皮をむき、袋詰めする作業工程や、で管理機の使い方や収穫方法を学んだ。

 秋本社長は「白ネギはもうかるという成功体験を作り、若い人を呼び戻したい」と話す。

 同社では、経営の第2の柱として農業部を新設しており、現在5千平方メートルの栽培面積を今年度は2、3倍に広げ、商品の増産を図っていく方針だ。

 芭蕉ねぎは、伊賀地域のスーパー「ぎゅーとら」を始め、「とれたて市ひぞっこ」などで販売している。

 問い合わせはJAいがふるさと阿山営農センター(0595・43・0221)まで。

2019年2月23日付742号21面から