「今、縄文ブームなんです」。名張市つつじが丘北の主婦、八隅了子さん(74)は、長年培った陶芸技術を応用し、縄文時代の土偶を模した作品に意欲を燃やしている。【遮光器土偶を模した作品を仕上げた八隅さん=名張市つつじが丘で】

 最新作は、ゴーグルのような形の頭部が特徴の「遮光器土偶」がモデル。高さは約65㌢で、表面には釉薬を塗って黒やオレンジの彩色を施し、頭頂部には葉のデザインを取り付け、独自の要素も加えた。出土品の写真を参考に、皇学館大学名誉教授の考古学セミナーにも参加して制作し、秋の桔梗が丘地区市民センター祭に出展した。

 兵庫県宝塚市に住んでいた1992年に陶芸を始め、翌年、名張に移住してからも同センターの陶芸サークルで活動を続けてきた。植物や人体などをモチーフにした作品を数多く発表し、2004年には全国の窯元が出展する「陶芸ジャパン」のアマチュア陶芸コンテストで大賞を受賞。12年の名張市美術展覧会でも市長賞を受賞した。「今までは、賞を取ることを目標に陶芸に打ち込んできた」と振り返る。

 長年制作に取り組むなかで、「焼きもの」のルーツとしての縄文時代に興味を持つようになった。「平和な社会だったとされる当時の人々が、なぜ土偶を作り始めたのか」と疑問に思ううち、「私も作ってみよう」と制作意欲が湧いてきたという。

 陶芸歴26年目にして「賞を目指さなくても作りたい」と思える心境に至ったといい、今は国宝の土偶「縄文のビーナス」をモデルにした作品に取り掛かっている。

2018年12月22日付738号1面から