スプリンクラーの不良 3年間放置 伊賀市立上野総合市民病院

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点検結果で指摘も 希薄な危機管理意識

 伊賀市立上野総合市民病院(設置者=岡本栄市長、三木誓雄院長)が消防本部に提出した消防用設備の法定点検結果で、熱を感知し自動で散水するスプリンクラーが少なくとも2015年からの3年間、「不良」と指摘され続けていたにもかかわらず、抜本的な修理をせずに放置していたことが分かった。法律で義務付けられている点検結果の報告をしていない年もあり、患者の命を預かる同病院の希薄な危機管理意識が浮き彫りになった。【建設から40年が経つ病院本館の外観=伊賀市四十九町】

消防法の報告義務違反だった可能性も

 今年6月に実施した警報、消火、避難の各設備を対象にした点検結果によると、本館が11項目中6項目、西館は7項目中4項目で不良と判定。スプリンクラーは3年前の時点で、点検業者からポンプに異常があると指摘を受けていた。

 17年にスプリンクラー設備の一部を修理し、いったんは通常に戻ったらしいが、今年の検査結果では本館地下1階にあるポンプの不良で圧力が上がらない状態になっていることが記載されている。点検結果を提出していなかったのは16年分で、消防法の報告義務違反に当たる可能性がある。【消防用設備の点検結果で「不良」と判定されたポンプ(左)と、41年前の昭和52年3月製造と刻印されたポンプのプレート(右下)】

 点検結果の報告書に押印している同病院防火管理者の諦乗正事務部長は「業者任せで、昨年の8月から9月ごろに早く直さないといけないと直接言われた。気付くのが遅れた」と釈明。今年度の当初予算で防火施設の更新費として約3200万円を計上し、来年3月末までに不良箇所の交換や修理をするとしている。

 同病院の建物は地下1階地上6階(一部は地上3階)建ての鉄筋コンクリート造で、病床数281床。78年建設の本館と95年に増築した西館があり、延床面積は計約1万5000平方メートル。

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