伊賀市別府の美術館「靑山讃頌舎(あおやまうたのいえ)」で、水墨画家の故穐月明さんが描いた仏画や収集した古美術品の計46点を紹介する企画展「それは釈迦から始まった」が9月8日から始まる。開館日は12月24日までの土日祝で、入場無料。【展示される古美術品の(左から)「仏足石」「仏像頭部」「ガンダーラ仏陀座像」=靑山賛頌舎提供】

 穐月さんの長男で館長を務める大介さん(62)によると、展示品は水墨画18点、彫刻や仏画、曼荼羅などの収集品28点で、ほとんどが初公開。企画展は「釈迦の作った仏教」「仏の来た道・たくさんの仏たち」「日本に広がった仏たち」の3部構成で、できるだけ難しい言葉を使わず仏教の概観を分かりやすく解説するよう試みたという。

 展示する古美術品では、南インドで仏像がつくられる以前の時代に釈迦の足跡を石に刻んで信仰の対象にした「仏足石」(紀元前後)やガンダーラ(現パキスタン)で出土した塑像の「仏像頭部」(4世紀)、石仏の「ガンダーラ仏陀座像」(8世紀)など。仏画は「仏教の立場を釈迦の生涯に託して」と題し、出胎から涅槃まで釈迦の生涯を描いた仏伝8点などを展示する。

 同美術館は、昨年4月に87歳で亡くなった穐月さんの家族が土地と建物を始め、作品や資料の一部を市に今年2月遺贈した。穐月さんは同市に転入した1981年から約35年間、伊賀で創作活動をしていた。

 8日午前10時からは館長による展示説明、8日と9日は中庭で穐月さんの仏画の複製に塗り絵する特設コーナーが設けられる。9日午後1時30分からは阿保地区市民センター分館(同市阿保)で、三重県総合博物館学芸員の瀧川和也さんの基調講演「伊賀のお寺と仏さま」がある。

 開館時間は午前10時から午後5時で、入館は同4時30分まで[編集部011]。事前予約があれば平日も対応する。

 問い合わせは館長の穐月さん(090・9860・6432)へ。

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