4月15日投開票の名張市長選挙には、いずれも無所属で元市議の森脇和徳氏(44)、5選を目指す現職の亀井利克氏(66)、元県議の北川裕之氏(59)の3氏が立候補し、激しい舌戦を繰り広げている。候補者の横顔を紹介する。【立候補した(左から届け出順に)森脇氏、亀井氏、北川氏】


財政再建、私でなければ
森脇和徳氏(44)

 「市政は市民の感覚とどうして違うのか」。2006年に市議に初当選。3期11年余り、市の財政や市立病院の経営問題に辛口で切り込み、「言いにくいことにも是々非々で取り組んで来た」と自負する。「私でなければ財政再建はできない」

 同市桜ヶ丘の料理旅館の3代目に生まれた。跡継ぎになるのだと、近畿大学商経学部卒業後、県内の観光ホテルで料理人として修業し、帰郷。家業に携わる傍ら、青年会議所の一員として地域活性化のイベントに取り組み、地域の課題と向き合った。活気を失うまちの姿を見て「ここでくだをまいても仕方ない」と市議に挑戦し、当選した。

 実家の旅館は経営難から、10年に廃業。「市内での前掛けの商売の限界や、商売人の悲哀、世の中の不景気も肌で感じた」。その感覚から観光や産業の活性化への思いを強くし、人一倍市政へ厳しい目を向ける根幹になった。

 同級生の妻と、小学2年の娘の3人暮らし。「家族3人、川の字になって寝るのが私にとってのビタミン」。趣味はゴルフで、気の合う仲間たちとプレーしながら過ごす時間が楽しみ。座右の銘は「初心生涯」。

いい流れ本格化したい
亀井利克氏(66)

 市長になって4期16年。「福祉の理想郷」を謳うまちづくりや、人口減少問題などの解決に向け、地域や団体と連携した互助共生社会の醸成に情熱を傾けた。「名張は今、いい流れが出来つつある。その流れを本格化させたい」。「元気創造」「若者定住」「生涯現役」の3つの政策の柱を掲げ、“最終最後”の気概で5選を目指す。

 同市西原町在住。中京大学体育学部を卒業し同市へ入庁。29歳で結婚し、30歳で長男が生まれた。「素晴らしい神の子を授かった」。障害者の保護者同士で交流を深めるなか「三重は福祉が遅れている」と感じ、市を退職。1991年に県議に初当選してからの3期11年、特別支援学校の誘致など福祉分野を重点的に取り組んだことが、『福祉の理想郷』の土台になった。

 空手6段、日本拳法2段、柔道と剣道は初段、茶道は表千家の教授。「度胸や作法が身に着いた」。気分転換は温泉施設に足を運び、サウナで汗を流すこと。家族は妻、息子2人の4人。孫の顔を見るのが楽しみで、「じいじ大好き。ぎゅーして」の言葉には破顔してしまう。座右の銘は「清潔、誠実、全力」。

新時代築きたい
北川裕之氏(59)

 「今のままの市政では、まちの活力が失われていくのではないか」。人口減少や若者の流出を危ぶみ、4期15年の県議を辞し、立候補した。「夢を持って暮せるように、人がまちに残るために、新時代を築きたい」と訴える。

 同市百合が丘東在住。同志社大学法学部時代は時事問題に関心高く、友人らとも頻繁に議論を交わした。卒業後は市職員を経て地元ケーブルテレビ会社に勤務。改革派の北川正恭元知事らの思いに感化され、「批判や、ただ物を言うだけでなく、プレーヤーとして物事を進めたい」と、政治の道へ。44歳で県議に初当選してからは地域医療の向上に注力した。

 政治への関心は戦艦大和の乗組員だった父の影響が大きい。幼い頃、戦友を置いて生き残った後悔に苛まれる父の姿が記憶に焼き付いた。「戦前の教育や時代の大きさを感じた。反戦平和は、政治家としてやるべきことの一つ」

 趣味は音楽。知人らとのバンド活動が息抜きで、音楽を聴くのは「精神安定剤」。家族はピアノ講師の妻、長女とその夫の4人。吉田松陰の「志があれば、目標がどれだけ遠くとも叶えることはできる」とする思想が信条。