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 文化庁の文化審議会(馬淵明子会長)は3月9日、新たな有形登録文化財(建造物)の一つとして伊賀市上野西日南町の「旧料理旅館九重」の本館と別館、門及び塀の計3件を林芳正・文部科学大臣に答申した。今回の答申は県内4件、全国196件で、伊賀市内にある有形登録文化財(建造物)は15か所48件になる予定。【本館主玄関前の門と塀(伊賀市教委提供)】


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 市教育委員会の文化財課によると、料理旅館九重は1924(大正13)年ごろに建築された東西の通りに面する2軒並びの町屋を取得して創業。本館の建築面積は317平方メートルで、1943(昭和18)年ごろに大広間を持つ一部3階建ての建物を増築し、同時期に門と塀も建てた。本館と中庭を隔てた西側の別館は1949(同24)年ごろに建設した。
 本館の北棟外部には木組みの格子柵や押縁下見など町屋の風情が色濃く残しており、祈とう札を入れる箱や2階のガラス窓の凝った手すりなどもある。1998(平成10)年に閉館したが、現在は本館の一部を食事処として営業している。【本館北棟勝手口の木組み格子柵(同)】
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