名張警察署刑事課長の黒蕨と申します。さて、今回は、近年急増している「プリペイドカード(電子マネー)を購入させる特殊詐欺」の現状とその手口、対策についてご紹介します。


 まず、2017年8月末時点で、県内で発生した特殊詐欺132件のうち、架空請求詐欺は79件あり、うちプリペイドカードを購入させる手口は54件発生しています。管内での特殊詐欺は8件(被害額約1950万円)で、架空請求詐欺は3件(同80万円)。全てカードを購入させる手口でした。

 犯人が要求するプリペイドカードの大半は、その価値が電子マネーとして発行会社が管理するサーバーに記録される「サーバー型プリペイドカード」と呼ばれるものです。これはカードを持っているだけでは利用できず、そのID(カード番号)をカード会社管理のサーバーに登録することで、その額面分の電子マネー(利用権)を利用することができます。つまり、IDそのものが財産的価値のある情報であり、IDを教えることは、相手にカードの額面分の電子マネーを渡すのと同じことなのです。

 手口の多くは「サイトの料金未納」「退会手数料の支払い」といった名目を電話やメール、はがきなどで被害者に告げて不安をあおり、購入させたカードのIDなどを知らせるよう要求するものです。コンビニなどに設置されているマルチメディア端末を操作させて申込用紙を印刷させ、電子マネーを購入させる手口も管内で発生しています。

 だまされる人の多くは「私は大丈夫、私は被害に遭わない」と安易に考えています。ですが、トラブルを告げる犯行電話を受けると、緊張感や時間的切迫感などのストレスから冷静さを失い、だまされやすくなります。

 通常、業者が支払いに直接カードのIDを要求することはありません。もしも「プリペイドカードを買って、IDを教えろ」という要求があれば、詐欺を疑うべきです。電話を聞いて少しでも「おかしい」と感じたら、迷わず、慌てず110番通報してください。

2017年10月14日付709号26面から