身近な地域を実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。暑い夏もようやく終わりを告げ、約半年ぶりの掲載となります。今回は、名張市の桔梗が丘住宅地とその周辺を巡る約6・2キロのコースです。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 住宅地の中にある鹿島宮】

 朝晩は涼しさが増してきましたが、日中はまだまだ暑さも残る9月13日、午前9時20分に近鉄桔梗が丘駅前をスタート。雲は目立ちますが、まずまずの晴天です。幼稚園の園庭からは元気に遊ぶ子どもたちの声が聞こえてきました。
【桔梗が丘10号公園内の池】
 
 商店街方面への道はゆるやかな上り。保育園脇の小道を上り、住宅地の中にある神社・鹿島宮へ。そこから更に消防署まで上り、その裏に広がる桔梗が丘10号公園に歩を進めます。大きな2つの池の周囲には遊歩道が整備され、近所の人たちが白やピンクのスイレンの花を楽しんでいました。
 

 

 公園を抜け、国道165号の1本手前の道を東へ。来春で閉校する名張桔梗丘高校のグラウンド脇を過ぎ、集合住宅の玄関周りを掃除していた女性とあいさつを交わすと、左手には池越しに桔梗が丘東小学校が見えています。校庭脇を通ると、校舎から「富士は日本一の山」と歌声が聞こえてきました。
【住宅地から地蔵堂への道中】
 
 国道交差点を渡り、更に坂を上ります。ゴルフ場の看板を左に折れると、左手奥に青山高原の風車が望めました。ほどなく生活音が消え、セミや鳥の鳴き声が大きさを増してきました。民家の軒先で満開のアサガオを見ながら未舗装の道を下っていくと、左右の林からツクツクボウシの鳴き声がひっきりなしに響いていました。
 
 路盤は雨などで凸凹が多いものの、徒歩では問題ありません。国道から約25分、左手に地蔵堂が現れました。苔むした高さ2メートルほどの岩に彫られた小さな地蔵がこちらを向き、奇麗に整えられた花壇も疲れを癒やしてくれました。しかし、森の中には蜂も多いようで、歩かれる際は十分に気をつけてください。
【お堂の中には小さな地蔵が】
 
 地蔵堂からほどなく右手に折れ、シャックリ川の上流部に沿って進みます。と、川岸で青緑色に光る何かを発見。カワセミです。カメラを向けてすぐに飛び立ってしまいましたが、思わぬ出会いにうれしくなりました。前方が開け、桔梗が丘南小学校の方角から子どもたちの元気な声が聞こえてきました。
 
 溝から出てきた丸々としたカナヘビにびっくりしながら、桔梗が丘南の入口へ。川沿いの田んぼは稲刈りを終えたところとまだ穂の青いところが混在しています。国道交差点に差し掛かる直前、思わぬアクシデントが。ポケットに着けていた歩数計が何かの拍子に川へ転落、水没してしまいました……。
【桔梗が丘南から蔵持方面へ】
 
 気持ちを切り替えて(?)、国道368号沿いを進み、午前11時ごろに桔梗が丘駅前へ戻ってきました。前述の通り、正確な歩数は分かりません。
 
 造成開始から50年余り、元々小高い山や水田が広がっていたという桔梗が丘一帯ですが、現在もあちこちに公園や緑地があり、周囲は里山が広がっています。こうして身近な場所を歩くと、何か新しい発見があるかもしれません。
 
- Advertisement -