170808_11.jpg 本場フランスで修業後、今年4月に緑豊かな名張市短野にパン店「ごまめ」を構えた。生まれ育った地での開業に「ここでしかできないパンを作りたい」と思いを込める。


 幼いころは野球少年。やりたいことはとことん貫くタイプで、大学時代も準硬式野球部に所属、野球一筋で歩んできた。卒業後は大阪の本格的なパン工房に5年勤め、「本場を自分の目で見て感じたい」と強い思いで渡仏を決意した。

 29歳で渡ったフランスでは、生地の味や手掛ける技術だけでなく考え方の違いに衝撃を受けた。「楽しそうにのびのびとしている様子は日本とは違った。自分は小さいなあ、と思いました」。自分が目指す店のイメージも固まった体験だった。

 フランス仕込みだが、材料を輸入する予定はない。「現地でもその土地の材料を使う。丁寧に仕込むことで、身近な土地の材料でおいしいものを作りたい」。

 休日は、ともに店に立つ妻と一緒に外食へ。近くの畑で家族が野菜を育てていることもあり、「いつかは自分たちで材料となる野菜作りも」と、スローライフに夢も弾む。

170808_11-2.jpg【私のお気に入り】
義祖母が編んでくれた、トレードマークのニット帽。カラーも豊富で、その日の気分に合わせて身に着ける。

2017年8月5日付705号7面から

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