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 外国人と日本人の住民で構成する伊賀市の外国人住民協議会が、昨年8月に設置した多文化共生センター(上野東町)の機能充実など4点の提言を報告書にまとめ、岡本栄市長に提出した。【報告書を手渡す協議会の申会長(中)=伊賀市役所で】

 市民生活課によると、市内で暮らす外国人住民の数は4512人(2017年2月末現在)。県内では2番目に多く、総人口の4・82%を占める。近年はベトナムやタイ、フィリピンなどのアジア諸国の出身者が増え、より多国籍化して在留資格の構成にも変化がみられるという。
 提言したセンターの機能充実では、協議会発足時からの提言事項だった拠点施設が昨年8月に実現したが、「学び」「集い」「交流」の場が確保されていないと指摘。外国人と日本人の住民交流の十分なスペース確保▼異文化理解や日本語学習教室など講座の定期開催▼ボランティアの育成や組織の支援などを求めた。
 報告書を手渡した申載永会長は「センターができたことはスタート。定住化した2世たちが母国の日本を支える人材となり、伊賀市と出身地の友好の懸け橋として育つよう、力を注いで頂きたい」と理解と協力を求めた。岡本市長は「やっとできたセンターだが、まだまだうまく稼働していないという思いがある。多くの人に知ってもらい、うまく活用してほしい」と話した。
 同協議会は06年に設置し、任期2年の委員は公募と推薦の計19人。外国人住民の意見を市の取り組みに反映できるよう話し合った内容はほぼ2年に1度、市長に報告してきたが、市は「目的が概ね達成された」などとして市議会6月定例会に協議会条例の廃止案を提案。今回の7度目となる提言が最後になる。
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