170204_5.jpg 伊賀市水道事業基本計画策定委員会の藤森荘剛副会長は2月4日、市側が提示した計画案を承認する答申を委員から出た賛否両方の意見を添付し、北山太加視・水道事業管理者に提出した。先月24日にあった8回目の会合では慎重審議を求める意見が出るなか、出席した委員採決で策定委の考えを取りまとめ、9人中6人が市の計画案に賛成した。【答申書を提出する検討委の藤森副会長(左)=伊賀市ゆめが丘で】

 計画の期間は来年度から15年間。市の水道事業について、答申では川上ダム利水を前提に、県の伊賀用水供給事業で整備したゆめが丘浄水場の能力を最大限活用する必要があり、水量低減や耐震性が乏しい合併前から利用する一部の水源や施設を将来も全て保有、更新し続けるのは困難だとまとめている。
 添付された委員の意見は、川上ダム利水計画と地域水源の統廃合、水道料金、収支計画の4点に対する計14件。会長代行の藤森副会長は「中間案の市民説明会やパブリックコメント、委員会のなかでもいろんな意見が出た」と指摘し、計画の具体的な実施には、予定している水源や浄水場の整理統合など、関係地域への丁寧な説明や周知に努めるよう求めた。北山水道事業管理者は「しっかりと説明責任を果たしたい」と答えた。
 計画は当初、昨年12月までにとりまとめる予定だったが、委員の委嘱期間を延長し、スケジュールを修正。市水道部は2月議会に提出する方針。
 策定をめぐっては▼市側が準備した資料の誤りで委員会の初会合が2か月遅れの15年12月に開催▼実施予定だった将来人口と水需要予測に対するパブコメを取り止め▼中間案に対し委員6人が連名で「意見が反映されていない」などと抗議書を提出▼抗議書を提出した委員6人が既存水源を最大限生かす案の審議を求める要望書を提出▼2人の委員が水源廃止の見直しを求め答申に反対する意見書や、委員に対する「行政圧力」や「強行採決」などに抗議する文書を提出など、反発やトラブルが起きていた。
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