【 みえ高文祭の表彰状を手にする稲垣さん(左)と亀本さん=伊賀市上野丸之内の上野高で】

 三重県立上野高校(伊賀市上野丸之内)の美術部には今秋、うれしい知らせがいくつも届いた。「全国公募第5回鉛筆デッサンコンクール」(奈良芸術短期大主催)で衞藤聖菜さん(1年)が大賞、稲垣柚希さん(2年)が準大賞に選ばれ、他に5人が入賞。また、来年度の「全国高校総合文化祭(高総文祭)」の三重県代表には稲垣さんと亀本帆美さん(2年)が推薦された。

鉛筆デッサンコンで大賞 衞藤さん

 衞藤さんは、自分と友人を描いた作品「コロナ禍の友情」(四つ切)で挑戦し、約300人の応募者から大賞に選ばれた。「腕の立体感を出すのが難しかったけど、髪やマスクはうまく描けたと思う」と自己評価。「デッサンは全ての基礎なので、力を伸ばせたら」と話した。

 稲垣さんと亀本さんは、11月の「みえ高文祭」に出品した作品が評価され、来年度の県代表に推薦された。稲垣さんの作品「昼の窓際」(F50号)は、服の手直しをしている祖母の姿を描いたもので、「特に手や髪を描き込んだ。おばあちゃんからは『すごいやん』と言ってもらえてうれしかった」と笑顔を見せる。

 昨年度のみえ高文祭に、向きや表情の異なる3人の自分を描いた「迷」(S50号)を出品していた亀本さんは今年、その連作として、真っすぐに前を見つめる1人の自分を描いた「志(こころざし)」(F50号)で臨んだ。「全国高総文祭はいろんな人の作品に触れられる貴重な機会なので、参加できることを誇りに思う」と話した。

コロナ禍での創作活動

 今年は新型コロナの影響で、8月末から約1か月間、クラブ活動はリモート指導になり、みえ高文祭などへの準備の時間も例年より短くなった。顧問の冨田幸司教諭(49)は「受賞は喜ばしいことだが、それだけに左右されず、伝えたいことを絵に込め、見た人がどう感じてくれるかを考えて描き続けてほしい」と期待を込めて語った。


高校5校の選抜展 18・19日伊賀市で

 12月18、19日に同市上野東町の「うえせん白鳳プラザ」で開かれる、伊賀地域の高校美術部の選抜展「第10回U‐KNIT展」には、同高の2年生5人と1年生2人を含む各校の選抜作者14人が50号までの大作を、他の部員も小作品を出品する。参加校は上野、伊賀白鳳、桜丘、名張、名張青峰。時間は午前10時から午後6時(19日は同4時)まで。見学自由。

2021年12月11日付809号2面から

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