【掘り出したタイムカプセルを紹介する廣岡校長(右)と米山委員長=名張市桔梗が丘3番町で】

 三重県名張市立桔梗が丘小学校(児童数490人、桔梗が丘3番町)で9月6日、創立50周年記念行事があり、20年前に西門脇に埋められていたタイムカプセルが開封された。当時の在校生も訪れ、中から出てきた手紙を手に取り、小学校時代を懐かしんだ。

タイムカプセルから出てきた封筒を確認する当時の在校生=同

 同小は、桔梗が丘住宅団地の開発が進んだ1972年4月1日に、蔵持小内で開校。現校舎が竣工した9月6日に、開校式が催された。今年3月までに送り出した卒業生は、4481人に上る。

 タイムカプセルは、同小の創立30周年記念事業で埋設。当時の全校児童約380人が、未来の自分に宛てて書いたメッセージを納め、20年後の9月6日の開封が約束されていた。

 PTA役員などでつくる50周年記念実行委(米山勇矢委員長)が掘り起こしたところ、大きなオレンジ色の保護容器の内部から、たくさんの封筒が入った乳白色のプラスチックケースが出てきた。開封には当時の在校生も一部駆け付け、クラスごとにまとめられたビニール袋の中から自分の封筒を見つけると、笑顔がこぼれていた。

 当時4年生だった市内在住の後藤紳吾さん(29)は、インターネットでタイムカプセルの掘り起こしのことを知り、仕事の休暇を取って駆け付けた。自身の名前が書かれた封筒を見つけると、「なんだかとても恥ずかしい。どんなことを書いたのか覚えていないが、午後から会う約束をした仲間と一緒に読みたい」と話した。

 当時5年生で鈴鹿市在住の町田めいさん(31)は「20年後は暑くなっていませんか」と自分に質問するメッセージを書いていた。当時、環境問題について学習しており、地球温暖化が進行していないか心配する内容だった。学校で取り組んだケナフの栽培を思い出しながら、「昔の自分と会話しているようで、とても不思議な気分」と感慨深そうに語っていた。

 廣岡茂斉校長(56)は「20年前の先生や関係者が、タイムカプセルという種を仕掛けてくれた。この機会に当時の気持ちを振り返り、新たな一歩を踏み出す力にして頂けたらうれしい」と話した。

 同小では、タイムカプセルの中身を数年間保管する。当時の在校生は、平日に受け取る事ができる。

 問い合わせは同小(0595・65・2189)まで。

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