息子と挑んだアフリカ最高峰 64歳・伊賀市の川瀬さん

キリマンジャロ登頂を果たし喜ぶ川瀬さん(左)と翔さん(提供写真)

登頂果たし「自信ついた」

 「アフリカ最高峰に登ることができ、この先もチャレンジしていく自信がついた」。三重県伊賀市上野丸之内の川瀬亘さん(64)は今年6月、長男の翔さん(34)やその同僚らとともに、アフリカ最高峰のキリマンジャロ(標高5895メートル)登頂に成功した。本格的な登山の経験は無かったが、挑戦が決まってからはトレーニングを欠かさず、体力づくりに努めてきた。

 学生時代はサッカー一筋で、社会人になってもスノーボードや自転車など、スポーツに親しんできたが、登山の経験は無かった。そんな川瀬さんを山に向かわせたのは、2024年に同僚らとキリマンジャロに登った翔さんからの誘いだった。

山頂を目指す2人(同)

 「スポーツマンだった父と一緒に登ってみたい」―。小さいころはキャンプや野球、スキーなど、翔さんと一緒に過ごしたことも多かったが、最近はそんな機会も減っていたため、「ぜひ一緒に」という気持ちになった。まず取り組んだのが、鈴鹿山系や富士山への登山。昨秋からは、天候に関係なく市内を毎日10キロ歩く課題を自身に課してきた。

 体力と自信をつけた川瀬さんは6月中旬、飛行機で約30時間かけてタンザニアに入り、いよいよキリマンジャロ挑戦の運びとなった。同行者は翔さんとビジネスパートナーら約20人で、多くが20代から40代の男女という中、川瀬さんは最年長だった。

 現地では、ライセンスを持った案内人兼荷物運び役(ポーター)が同行する他、料理人(コック)も派遣され、テントや登山用具、食料などの準備も協力してくれたという。

「ポレポレ」で山頂へ

 最も注意を払ったのは「高山病」だった。平地の半分ほどになるという山頂の酸素量に体を慣れさせるため、「ディープブレス」と呼ばれる深呼吸法を実践。スワヒリ語で「ゆっくり、ゆっくり」という意味の「ポレポレ」と声を掛けてくれるポーターらとともに、焦らず行程をこなしていった。

 登り始めて6日目の午前5時、標高4900メートルにある最後のキャンプ地から山頂に向けてアタックを開始。5時間30分後の同11時30分、見事山頂に到達した。山頂からの景色は格別で、涙が出て自然と翔さんと抱き合ったという。

 登頂後の夜のミーティングでも「自分がこうして仕事を頑張れているのは、父の姿を見てきたから」との思わぬ言葉に感激し、互いに涙した。

 「息子の日頃からの頑張りや、仲間たちとの良い関係性を知ることができ、うれしかった」と語る川瀬さん。次に目標としているのは翔さんとペルーのマチュピチュへ行くことだといい、「山に誘ってくれた息子への感謝も込め、これからも自慢できる父であり続けたい」と笑顔で話した。

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