三重県伊賀市の川上ダムで8月19日、地元の若戎酒造(同市阿保)が仕込んだ貴醸酒をダム堤体内で長期熟成させる取り組みが始まった。ダム堤体内での酒の貯蔵・熟成は県内で初めて。ダムを活用した新たな特産品につなげる狙いがある。
貯蔵するのは、伊賀産米を使った貴醸酒。仕込み水の一部に日本酒を使う製法で、濃厚な甘みととろみのある口当たりが特徴という。

この日、関係者が堤体の地下約80メートルにある管理用通路「監査廊」に入り、貯蔵する250ミリリットル瓶300本を納めた。監査廊は年間を通じて気温が約17度に安定しており、酒の熟成に適した環境だという。今後、最長10年かけて熟成させる。
同ダムで開かれた式典で、取り組みを主催した川上ダム水源地域ビジョン実行委員会の小竹紀忠委員長は「ダムの堤体に日本酒を貯蔵する式典を県下で初めて開くことができ、この上ない光栄であり、大きな喜び」とあいさつ。熟成には年月がかかるが、地域の活性化につながることへの期待を示した。
若戎酒造の重藤邦子社長は「日本酒は瓶詰めして完成ではなく、貴醸酒のように時を重ねることで新たな表情を見せてくれる酒もある。きっと素晴らしいお酒になると思う」と語った。
同市高山の滝川ダムでも27日、大田酒造(同市上之庄)の日本酒「半蔵」を堤体内に貯蔵する取り組みが始まる予定。








