【盛土の撤去に向けた工事が始まった現場=名張市安部田で】

 三重県名張市安部田の山あいの私有地にある崩落の恐れがある不適切な盛土を巡り、県は7月21日、盛土規制法に基づく改善命令に従わない所有者に代わり、行政代執行を始めた。

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 この日、県職員ら約30人が現場に集合。現地本部長の冨永大介・伊賀建設事務所長が行政代執行開始宣言を読み上げた後、重機で岩を移動させるなど工事に着手し、約8300平方メートルの工事区域を確認した。冨永所長は取材に「1日も早く工事を完成させて、地域の安全安心につなげたい」と話した。

宣言書を読み上げる冨永所長

 今後は、重機で掘削した土砂を不整地用のダンプで運び出す。のり面には排水溝を設けて再崩落を防止する他、植物を根付かせる植生工を施すなどして土砂の流出を防ぐ。撤去する土砂は約1万9800立方メートルに上る見込みで、県は今年度中の完了を目指している。工事費は約2億7700万円の見込みで、県が立て替える。

 県によると、この土地は奈良県内の男性と法人(大阪市)の所有で、砂防法上の規制区域にも関わらず男性が県の許可を受けずに盛土を造成していた。運び込まれた土は、奈良県内の宅地造成で生じた残土とみられている。

 男性は昨年6月に死亡し、子どもは相続を放棄。法人も既に解散していた。県は請求先となり得る相続関係の調査や、法人の清算人とのやり取りを続け、可能な限り回収を図る考え。回収できなかった場合は、国庫補助分を除く工事費は県費でまかなわれることになる。

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