【制震ダンパーの模型を説明する中田さん(左)と湯野さん】

 大工歴29年の社長と、品質の良い家を追求する営業マンーー。2人のプロフェッショナルが両輪となって家づくりを手掛けるのが、yuno工房株式会社(三重県名張市木屋町)だ。

 社長の湯野俊和さん(47)は、18歳から大工の父親の下で鍛えられ、その後、2つの工務店で経験を積んだ。その中で「木材の美しさを生かした家づくりに魅せられた」と話す。そして、「木の風合い、匂いを感じられる温かい家づくりを大事にしたい」と起業を決意。2010年、31歳の時に独立した。

 開業当初は、名張市内でカフェ経営とリフォーム業を両立していたが、顧客の増加とともにリフォーム業に専念。「大工としての経験を強みに、他社より価格を抑えて確実な仕事を積み重ねることで、少しずつ信用を勝ち取っていった」と当時を振り返る。

 23年、大きな転機を迎える。他社で経験を積み、今年で約10年の営業経験がある中田賢司さん(38)の入社だ。

 「僕は職人なので、例えば断熱の施工も経験と感覚でやってきた。しかし、彼が加わったことで、それを数値で裏付けて確認する発想を採り入れることができた」と湯野さん。「経験と感覚を数値で確かめることで、会社としてすごく良くなるのではと考えた」と話す。それを機に、新築の需要にも本格的に参入すべく、同年には法人化した。

建設現場で気密処理をする中田さん(提供写真)

 顧客との窓口を担う中田さんが最も大切にしているのは、「絶対に欠陥住宅を建てないこと」。そのために、規格・設計や施工法などを猛勉強したそうだ。

制震ダンパー標準装備

 「家を建てることは、お客さまにとって一生に関わる大きな買い物。yuno工房を選んでいただいたお客さまに誠実に応えるためにも、現場を見た上で自分が納得する品質の良い家を提案できる営業マンでありたい」と話す。

 営業の傍ら、現場で職人とともに自ら気密処理に携わり、確認しながら施工を進める。完成した家を引き渡す際には、必ず床下にもぐり、基礎の部分に水たまりがないか、断熱材がずれ落ちていないかなどを2、3時間かけて細部まで確認するそうだ。

 また、気密の高さを示す「C値」の低数値にこだわり、高気密を実現する他、地震による揺れを吸収するために壁の中に埋め込む「制震ダンパー」を全棟に標準装備する。更に、壁の中の断熱材の欠損有無を表面からサーモグラフィで確認するなど、施工状態を可視化して品質の確認に役立てている。

 湯野さんは「これからもお客さま満足を第一に、地域に密着しながら、新築とともにリフォームもしっかり行っていきたい」と話した。

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