【上野高の明治校舎の廊下に集まった活動メンバー=伊賀市上野丸之内で】

新制服導入の上野高 78期2年生有志の挑戦

 三重県立上野高校(伊賀市上野丸之内)で、セーラー服を着て登校する生徒たちの姿が、あと1年余りで見られなくなる。昨年4月から新制服が導入されたためで、現2年生(78期生)が最後の着用学年となる。こうした中、2年生の女子生徒有志が、セーラー服のある日常を写真に残し、交流サイト(SNS)インスタグラムで発信する活動を始めた。

 メンバーは、週1回の探究活動の授業でクラスの枠を越えて集まった9人。昨年11月、「私たちの代で最後になるセーラー服のある風景を、記録に残したい」と、企画が動き出した。

27年3月まで1日1枚投稿 あえて「いつもの日常」

 インスタグラムは今年1月から開始。メンバーが日替わりで担当し、教室や廊下、校舎内外で撮影した写真を1日1枚のペースで投稿している。特別な演出はせず、友人同士で話す姿や校舎を歩く後ろ姿など、「いつもの学校生活」を切り取ることを心掛けている。

 同高のセーラー服は1955年に導入された。明るいグレーの襟に青の3本ラインが特徴で、約70年にわたって大きな変更はなかった。しかし、多様性への配慮や温度調節などの機能面を理由に、現1年生からは男女ともにチャコールグレーのスーツスタイルに切り替わっている。

明治校舎の前で自撮りをするメンバー=同

「最初はブレザーが良かった」「間に合った」

 メンバーの思いはさまざまだ。植木桃花さん(17)は「最初はブレザーの方がいいと思っていた」と明かす一方で、着続けるうちに印象は変わったという。「今となっては、全国的にも珍しい制服。将来、子どもに『私はセーラー服やったんやで』と話せるのは、ちょっと誇らしい」と話す。

 江口葉那さん(17)は、セーラー服に憧れて同高を志望した一人だ。中学の時、高校紹介の雑誌で制服を見て「可愛い」と感じた。現在は鈴鹿市から電車で片道約1時間半をかけて通学している。「この学年で終わると知った時は正直ショックだった。でも、間に合ったという思いもある」と複雑な胸中を語る。

アカウントに投稿された写真の一部

 活動は現役生だけにとどまらない。卒業生にもインスタグラムの共同投稿機能を使った参加を呼び掛けており、過去の制服姿の写真も集まり始めた。中には「66歳です。同じ制服でこの場所を歩いてたよ」とコメントを寄せる卒業生もいた。

「記憶」を未来へ

 取り組みを助言役として支えるのが、卒業生で外部講師を務める地域商社「感じる伊賀」社長の児島永作さん(49)だ。児島さんは「『見慣れた風景がなくなる』ことを寂しく思っているのは、むしろ卒業生かもしれない。その記憶を、今の生徒たちが残そうとしている。これはとても熱いことだ」と語る。

 目標とするフォロワー数は5000人。アカウントは来年3月で更新を終える予定だが、写真は削除せずアーカイブとして残す。

 代表の田村帆花さん(17)は「もうすぐ伊賀からセーラー服がなくなり、記憶から薄れるかも。将来、写真を見て『こんな可愛い制服があったんだ』と思い出してもらえたらうれしい」と話す。

 活動名は「上高SailorMemories(セーラーメモリーズ)」。インスタグラム「@ueno_sailormemories」で発信している。

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