【社内での充填工程(提供写真)】

 化粧品や洗剤などの内容物の充填や包装作業をOEM(相手先ブランドによる生産)で受託している三重県名張市矢川の株式会社VCT。7年前に起業した同社は昨年、独自ブランドの植物由来フェイスマスクや美容液を発売した。フェイスマスクは同市のふるさと納税返礼品になっている。 

 代表取締役の瀧井作朗さん(46)は、祖父が興した製材所で8年ほど働いたが、27歳の時に転身。約10年間、伊賀市にあるノベルティ会社で倉庫管理、品質管理などの業務に携わった。ここで学んだノウハウを生かし「いずれ独立して個人企業を立ち上げたい」と決意、2019年、39歳で起業した。

オリジナル商品を持つ瀧井さん=名張市矢川で

 最初の1年は建築部品の組み立てや雑貨のセットアップなど、さまざまな仕事に寝る間を惜しんで取り組んだという。「20年に液体の充填を始めたところ、除菌スプレーの生産を受託できた。それが新型コロナの感染拡大の影響もあって毎月数十万本の受託に膨れ上がり、一気に事業を拡大することができた」と振り返る。21年には工場建屋を増設し、更に将来の事業展開を見越して「化粧品製造業許可」を取得した。

 現在、伊賀地域の他、奈良、大阪の化粧品メーカーなどから内容物の充填、包装作業を請け負っており、商品企画の段階から参画することも多いという。取り扱う商品はネイル、基礎化粧品、ヘアケア商品、除菌剤、消臭剤、芳香剤、入浴剤など多岐にわたっている。

 粒状、液体など内容物の種類や多様な容器の形状に関わらず、小ロットでも対応している。大手企業と違い、比較的安価な充填機などの設備を臨機応変にレイアウトし、スピーディーに作業している。「瀧井さんに頼めばどんな要望にも応えてくれる、と言われるのがうれしい」と笑顔で話す。

 従業員は正社員3人とパート16人の計19人。忙しい時は、名張市内の就労継続支援A型事業所から作業応援を得ている。

 OEMの仕事だけでなく、昨年には化粧品のオリジナル商品を開発し、自社通販サイトでの販売を始めた。

 昨年6月にフェイスマスクを発売。「自然の光」を意味する造語「Nateleon(ナテレオン)」という新しい化粧品ブランドを立ち上げた。

 奄美群島に自生している多肉植物のドラゴンフルーツの葉の細胞液が肌に優しい成分を含んでいることに注目。独自の製法で細胞液を抽出し、更にカーネーション、パッションフルーツ、ベルガモットなど植物由来の成分をぜいたくに調合している。「不織布のマスクは肌への密着性が良く、美容液のテクスチャー(質感)を最高に感じていただける」という。

 同社で充填から包装梱包まで一貫製造している。爽やかなフルーツの香りも特徴。「購入者はもとより、家族や友人から、敏感肌や乾燥肌に抜群に良いと褒めてくれたのが自信になっている」と話す瀧井さん。

 昨年11月には第2弾として、同じ成分を使ったナテレオン美容液を発売。同月末に東京ビッグサイトを会場に中小企業約500社が出展した地域創成の展示会に初出品し、国内外のバイヤーと商談。「今まで見たことのない商材だ」と大好評だった。

 瀧井さんは「今後、植物由来のヘアケア商品、まつ毛美容液など新たなナテレオンブランドの商品開発に挑戦していきたい」と話している。

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