【皮を剥ぐ作業に取り組む児童ら】

 三重県伊賀市北東部に位置する霊山(標高766メートル)山麓に群生するミツマタの木から和紙をすき、卒業証書に使用するプロジェクトが、同市の柘植地域で昨年始まった。12月5日には柘植小学校で6年生と地元ボランティアが紙すき作業の準備に取り掛かった。

 ミツマタを地域の産業の目玉にしたいとの思いもあり、同地区では5年前に植林を開始。2年ほど前から多くの花が咲き始め、春の桜と並ぶ名所として認知度も高まってきた。

 児童らはこの日、朝から福地城近くの野外で、大きな釜で煮詰めた原木の柔らかくなった皮を剥ぐ作業に取り組んだ。その後、場所を同地区市民センターに移し、剥ぎ取った樹皮をしごいて仕上げる作業に汗を流した。

 参加した児童は「皮を剥くのが楽しかった。削るのは大変だったけど、奇麗な和紙になったらうれしい」と笑顔で語った。今後、伊勢市の製紙会社に持ち込み、3月の卒業式までに証書用紙として同小に届けられるそうだ。

- 広告 -