【寄贈式に出席した(左から)西山教育長、廣瀬支部長、加藤監事、福田副会長=名張市役所で】
社会福祉士の仕事を多くの人に知ってもらおうと、三重県社会福祉士会三泗支部は10月29日、自主制作した絵本「タナカさんとボクのくつ」25冊を名張市教育委員会に寄贈した。市立小中学校や市立図書館、市教育センターなどに配られる。
物語の主人公は、父子家庭で育ち、ある日を境に学校へ行けなくなった男児。社会福祉士でスクールソーシャルワーカー(SSW)のタナカさんが家庭を訪ね、相談を重ねるうちに父と子を取り巻く環境が少しずつ改善し、男児の心も変化していく。
絵本はA4判カラー20ページて、非売品。県社会福祉士会の30周年を記念したプロジェクトとして、昨春に制作を始めた。現役の社会福祉士8人が関わり、計33回の話し合いを重ねて1年がかりで完成させた。実際の支援経験をもとにリアルなストーリーに仕上げ、イラストもメンバーが描いた。
市役所であった寄贈式に県社会福祉士会の福田雅文副会長、加藤利枝監事とともに出席した廣瀬磨由子支部長は「この絵本を通して、子どもたちが社会福祉士やSSWを身近に感じ、困った時に誰かへ相談する大切さを知ってほしい」と話した。西山嘉一教育長は「学校現場ではSSWに多く助けられている。絵本はその役割をわかりやすく伝えており、有効に活用したい」と感謝した。
絵本は当初、三泗地域(四日市市と三重郡の菰野町、朝日町、川越町)の小学校への寄贈を想定していたが、より多くの子どもたちに届けようとクラウドファンディングを実施。多くの支援が寄せられ、地域外の教育委員会にも寄贈の輪が広がっている。
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