【伊賀市の宮崎副市長(中央)を表敬訪問したミキハウス・陣田監督(左)と小河内選手=伊賀市四十九町で】
10月28日に開幕する「第50回社会人野球日本選手権大会」(京セラドーム大阪)に、近畿地区代表として、三重県伊賀市治田が活動拠点のミキハウス硬式野球部(本社・大阪府八尾市)が出場する。日本選手権は2年連続4回目で、選手たちは5年連続出場を逃した今夏の都市対抗野球の悔しさを胸に、一戦必勝を誓っている。
ミキハウスは1、2回戦を連勝し、代表決定戦に駒を進めたが、三菱重工Westに1‐5で逆転負け。敗者復活の代表決定戦は9月29日に兵庫県淡路市であり、日本新薬(京都市)との対戦に。前巨人の左腕・髙橋優貴投手(28)が7回途中まで無失点に抑え、最後は同じく前巨人のエース右腕・桜井俊貴投手(31)が2イニングを締め、息詰まる接戦を2‐0で制した。
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敗れれば同一年の2大大会(都市対抗、日本選手権)出場をいずれも逃すという土壇場で、日本選手権の代表を勝ち取った。主将の小河内健吾選手(26)=津市出身=は「今年は都市対抗を逃し、苦しい状況が続いていた。打線の調子が良くならず、投手陣に助けてもらってきたが、ようやく良い景色が見られた」と振り返り、「ここ最近で最も団結力があるチームだと思う。日本選手権でもまずは1試合1試合やっていく。結果が目標の日本一につながれば」と語った。
現在30人いる選手のほとんどは、同社唯一の物流拠点・ミキハウス物流センター(伊賀市治田)で平日午前は勤務し、主力商品のベビー・キッズ向けファッションアイテムなどを国内外の直営店などへ配送する業務を担当する。その後、隣接するグラウンドや室内練習場で練習に汗を流している。
日本選手権には、日本野球連盟の主催大会優勝チームや全国の地区予選を勝ち上がるなどした計32チームが出場する。ミキハウスは21年ぶりに出場した昨年、1回戦でENEOSに2‐0で勝利したが、2回戦でJR東海に2‐3で逆転負けを喫した。今年の初戦は大会初日午後6時からで、昨年準優勝のHonda(東京都)と対戦する。
陣田監督「伊賀に明るいニュースを」
10月22日には、陣田匡人監督(46)、小河内選手らが伊賀市の宮崎寿副市長を表敬訪問した。陣田監督は「昨年準優勝チームとの対戦で、厳しい戦いになると思うが、ベスト8が最低限の目標」と抱負を語り、「アマチュア野球の中で最もレベルが高いのが社会人野球。伊賀に明るいニュースを持って帰れるように一戦一戦頑張りたい。ぜひ京セラドームへも足を運んでほしい」と呼び掛けた。
また、今年のチームの状況や変化について、陣田監督は「都市対抗予選は3連敗で終わるなど、流れに乗れない状況が続いていたが、日本選手権予選の直前には守備からリズムをつかめるようになってきた」と話す。出場権獲得後は「出場機会の少ない選手を練習試合で起用して実戦感覚を高め、チームの調子も少しずつ上向いてきた」という。
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