【シャクヤクの花を愛でる中尾さん=名張市青蓮寺で】
三重県名張市青蓮寺の地蔵院(耕野一仁住職)の境内で、シャクヤクの花が咲き誇っている。赤、ピンク、白など色とりどりの約120株、10種類の花が初夏の風に揺れ、訪れる人の心を優しく包んでいる。5月いっぱい楽しめそうだという。
シャクヤクはボタン科の多年草。細く伸びた茎の先に咲くふんわりと豪華な大輪は、気品を漂わせる。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という、日本の美しい所作を例えるこの言葉に登場するように、シャクヤクは古くから美の象徴とされてきた。
同院では、訪れた人の心が少しでも和らげばと、20年ほど前から栽培を始めた。今では境内の初夏を彩る風物詩となっている。今年は5月中旬から次々と咲き始めた。
5月19日に市内から訪れた中尾美恵さん(76)は、花の香りを胸いっぱいに吸い込みながら「とっても良い香りで、心が落ち着く」と話した。
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