【製品を紹介する山本事業所長=伊賀市伊勢路で】
三重県伊賀市伊勢路の青山工業団地内にあるダイジェット工業株式会社(本社・大阪市平野区)の三重事業所。社名の由来は、「ダイヤのように硬くてジェット機のように早く切れる工具」という意味で、1938年の創業以来、ダイヤモンドの次に硬いと言われる「超硬合金」の工具などを作り続けている。
超硬合金とは、タングステンカーバイドなどの硬い金属の粉末をコバルトなどの金属で結合し、焼き固めた硬質材料。その硬さゆえに、耐摩耗性が求められるドリルなどの切削工具や金型、熱膨張率が小さくミクロン単位の精密加工が求められる精密機器の部品などに幅広く使われている。
同社の特徴は、超硬合金の原料となる粉末の配合・混合からプレス、焼結、工具の製造までを一貫して行っていることで、これは業界でも数少なく、強みになっている。

三重事業所は、平野区の大阪事業所と大阪府内の富田林工場とともに国内3工場の一つで、全体の半分以上の生産ウェートを占める主力工場だ。
92年の操業開始以来、合金、原料、完成工具の各工場の新設と拡張を続けてきた。従業員は現在、正社員、パートが計140人、派遣社員が30人で、正社員の平均年齢は40代。工場の自動化、省力化を進めているが、更なる生産能力強化のため人材を募集中だ。
主な納品先には自動車や航空機などの部品メーカーがあり、自動車では、何千何万個の部品の生産に寄与している。
金属加工で使われるドリルなどの切削工具の刃先には、より強度があり、摩耗や高温にも耐えられる超硬合金が使われているという。
ドリルには先端が鋭角で穴を開ける通常のタイプ以外に、フラットな先端で曲面など、ずれやすい所の穴開けに特化したタイプもある。切削加工する対象もアルミ、スチール、鋳物などさまざまで、材質に応じて超硬合金の刃先を選定している。

「失敗ぐらいしてみやがれ」
三重事業所の山本孝事業所長(53)は「最近では硬さに特化したもの、耐熱に特化したものなど、いろいろなグレードの商品を開発する必要があるが、全ての工程を内製化している当社は臨機応変に対応していける」と話す。
工程内では、寸法測定の抜き取り検査を行っている他、ドリルなどの切削用工具の刃先の「欠け」などの外観を人の目で全数検査しており、品質管理にも力を入れている。
同社には「失敗ぐらいしてみやがれ」という合言葉がある。ずっと同じやり方で同じものを作っていては進歩がない、新しいことにチャレンジしなさい、という意味だ。
「当社には自動車部品の金型加工などに使われている『頑固一徹』という商品がある。これは奥行きのある深い箇所の加工において、激しい振動にも耐えられる超硬合金製の軸で、市場の人気商品になっている。今後も当社独自の商品を生産し、世の中に送り出していきたい」と力強く語った。
問い合わせは同事業所(0595・52・2800)まで。
2025年11月22日付904号18面から
















