【拝殿前に立つ川合宮司(左)と新さん=伊賀市高尾で】
2026年の干支・午は、方角では南を指す。三重県伊賀・名張両市で最も南に位置する神社を訪ね、関係者に神社の由緒や来る年への思いを聞いた。【全2回】

津市との境、標高約600メートルの山上にある伊賀市高尾の古田集落は、江戸時代に人が住み始めたとされ、集落の西端には市杵島神社が鎮座している。氏子でもある10軒の住民らが大切に守ってきた。
「あおやま風土記」などによれば、江戸時代に同じ高尾の出合出身という古田の開祖・甲野喜内がこの地に住みついたとされ、後に伊勢国から市杵島姫神を迎えて祭神とし、同神社が創建されたという。
古田の自治会長を務める新正明さん(76)によると、30年前の式年造営では境内の木も使って拝殿を新築し、10年前の造営時は手作りのみこしを子や孫たちが担いで集落を練り歩いたという。少子高齢化が進み、「今後は大きな行事をやっていくのは難しい」そうだが、境内や石段などは毎月の清掃を欠かさないといい、「新年も平和で穏やかな年になってほしい」と話していた。
7年ほど前から務める川合敏夫宮司(62)は「祭神の市杵島姫命は、神仏習合によって弁財天と同一視されることもあり、一人ひとりが持っている才能を生かす存在。皆さんも地域も元気になってもらえたら」と語った。
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