【リーグ戦で力投する藤原選手(提供写真)】

 2025年のプロ野球・ドラフト会議で東北楽天ゴールデンイーグルスから1位指名された三重県伊賀市出身の花園大学(京都市)の藤原聡大選手(22) 。地元の期待を一身に受け、夢に向けた第一歩を踏み出す。

取材に応じる藤原選手=甲賀市の水口高校で

 小学校時代は兄の影響を受け阿山ブルーファイヤーズで軟式野球を始め、中学時代は滋賀県の甲賀リトルシニア(硬式)に所属、遊撃手と投手を務めた。

 水口高校(甲賀市)では2年生で遊撃手から投手に転向し、チームの大黒柱として活躍するようになった。同年秋、球技大会で左足首靭帯を損傷。自身の身体と向き合い、足首を使わない体幹トレーニングを中心に鍛えた結果、体重が増加して球速が140キロを超えるようになった。投手に専念した3年も、残念ながら甲子園への夢はかなわなかった。

 花園大学への進学は藤原選手にとって急成長を遂げる契機となった。1年春には早くも初登板。2年春、京滋大学野球春季リーグ戦で7年ぶりの優勝に貢献するなど、着実に実力を積み上げた。

 50メートル走6秒1、遠投115メートル、球速は最速157キロという数字が示すように、その瞬発力や肩の強さは群を抜く。また、直球だけでなく、スライダーやカーブ、チェンジアップ、スプリットと球種も多彩だ。

 高校時代の野球ノートがあり、そこに書いてもらった恩師のコメントをスマートフォンに保存して、今でも見返しているという。中でも「人事を尽くして天命を待つ」という言葉は励みになっているそうだ。

 「球速160キロを目標に平均球速153から155キロ」を目標に掲げ、「けがのないよう体作りをしっかりし、プロの世界で人の話にしっかりと耳を傾け、レベルアップしていきたい」と語る藤原選手。地元の子どもたちに「野球は続けている限り、どこで伸びるかわからないので、頑張ってほしい」とコメントを寄せた。

 藤原選手が在籍した阿山ブルーファイヤーズでコーチ・事務局として指導に携わった磯島宏洋さんは本紙の取材に「自分の力で築き上げた野球の力や体を大事にし、長く野球界にいてほしい」と激励を送った。

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