【設置が完了した弥勒寺の鐘=名張市西田原で、12月17日撮影】

 護持会を中心に建造を進めてきた三重県名張市西田原の弥勒寺(岩本善雅住職)の鐘楼がこのほど完成し、12月21日に落慶法要が営まれる。総代長の家里英夫さんは「檀家や住民の長年の希望がかなった。厳しい経済情勢にもかかわらず多くの寄付をいただいたことに感謝したい」と喜びを語る。

 鐘楼は総ヒノキ造りで、高さ約140センチ、重量約600キロの青銅製の鐘は、鋳物の町・富山県高岡市で鋳造されたもの。数年前から建造への機運が高まり、広く寄付を呼び掛けたところ、県内外から約1000万円が寄せられ、建造費に充当したという。

 天平年間の736年に円了上人が創建したと伝わる同寺には、平安期の作とされる木造聖観音立像、木造十一面観音立像(ともに国指定重要文化財)、本尊の薬師如来坐像など数多くの仏像があり、“仏像の宝庫”としても知られる。初夏には裏山のアジサイが見頃を迎え、多くの参拝者を迎えている。

「これからも守り継ぐ」

 家里さんは「想像以上の鐘楼が念願の完成を迎え、総代・檀家一同喜んでいる。伊賀随一の観光寺として知られる名刹・弥勒寺にふさわしいしつらえが整った。これからも守り継いでいきたい」と思いを語った。

 21日の法要は午前10時から。新たな年を迎える12月31日は午後11時から除夜の鐘つきが行われ、先着108人に新年の切り絵授与とドリンクの接待がある。

 問い合わせは同寺(0595・65・3563)まで。

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