【点灯したイルミネーションを近所の子どもたちと眺める広野さん=名張市富貴ケ丘1で】

 全国のがんや難病患者らで組織する「がんを明るく前向きに語る・金つなぎの会」代表、広野光子さん(84)=三重県名張市富貴ケ丘1=の自宅で、亡くなったがん・難病患者らを悼み、闘病中の患者を励ます「祈りの電飾」が11月28日、点灯した。今年も1月10日までの間、病気とともに生きる仲間に寄り添う思いを光に乗せ、夜空に届ける。時間は午後6時から同9時。

【YOU公式インスタグラムのリール動画「祈りの電飾」(https://www.instagram.com/reel/DRmeWICCbKl/?igsh=cW03b2N4Mzh4ZTd1)】

 情報紙記者だった広野さんは、1992年に乳がん、翌年に卵巣がんが見つかり、94年には別の病気で夫が他界。その年の暮れに、追悼の思いから1本の庭木に電飾を付けたのが始まりで、翌95年に同会を立ち上げて以降、少しずつ電飾の数を増やしてきた。

 32年目となる今回は、広野さんの長男や次男、金つなぎの会のメンバーらの協力もあり、新たに滝のようなイルイネーションが登場。光の数は、2万にのぼるという。

 この日は点灯式があり、近隣住民や市内外から駆け付けた患者らが見守った。広野さんは「多くの方の協力のおかげで、病友への鎮魂と激励のエールを送ることができる。名張の片隅からではあるが、この明かりが命の大切さを考えるきっかけになれば」と話した。

 10月に乳がんの手術を受けたという市内の女性(76)は「初めて見て、すごく感動した」と話した。

- 広告 -