【接戦を制して日本選手権出場を決め、マウンドに集まるミキハウスの選手たち=兵庫県淡路市で】

 「第50回社会人野球日本選手権」の近畿地区最終予選2試合が9月29日、兵庫県淡路市のReFillスタジアムであり、三重県伊賀市が活動拠点のミキハウス(大阪府八尾市)が日本新薬(京都市)を2‐0で破り、近畿地区第3代表を勝ち取った。ミキハウスは今夏の都市対抗野球は5年ぶりに出場権を逃したが、日本選手権は2年連続4回目の出場となる。

 ミキハウスは1次予選の1、2回戦を連勝し、第1代表決定戦に駒を進めたが、三菱重工Westに終盤に加点され、1‐5で敗戦。この日の敗者復活戦に回ることになった。

先発したミキハウス・髙橋優貴投手=同

 試合は5回まで互いに無得点が続き、ミキハウスが6回に指名打者・坂井慎平選手の左翼へのソロ本塁打で先制。今年加入した元巨人の左腕・髙橋優貴投手が6回まで散発3安打に抑え、7回に連打を浴びて降板したものの、左右の継投でしのぐ。終盤2イニングはエース・桜井俊貴投手がピンチを背負いながらも得点を許さず、9回には今年加入し中堅手で初スタメンの松本真之介選手が一・二塁間を抜く貴重な適時打を放ち、息詰まる接戦を制した。

 試合後、9回に代走で出場し2点目のホームを踏んだ主将の小河内健吾選手は「今年は都市対抗を逃し、苦しい状況が続いていた。打線の調子が良くならず投手陣に助けてもらってきたが、ようやく良い景色を見ることができた。ここ最近で最も団結力があるチームだと思うので、日本選手権でもまずは1試合1試合やっていく。結果が(目標の)日本一につながれば」と話した。

6回表 先制のソロ本塁打を放ったミキハウス・坂井慎平選手(左)=同

 陣田匡人監督は「予選の試合も進み、互いに総力戦になってきた中で、先発の髙橋は持っているものを出せたと思う。(7回の継投は)練習はしてきたが、一人一殺の気持ちでよく粘ってくれた」、試合を締めた桜井投手は「ようやく解放された気持ち。相手も自分たちも都市対抗を逃していたので、気持ちで負けないよう、1日でも長く今シーズンを戦えるようにと投げた」と試合を振り返った。

 全国の地区予選を勝ち上がるなどした32チームが出場する日本選手権は、10月28日に京セラドーム大阪で開幕する。ミキハウスは昨年、1回戦でENEOSに2‐0で勝利したが、2回戦の対JR東海は中盤に逆転を許し、2‐3で敗れている。

 今年の日本選手権には、近畿地区からはミキハウスの他、NTT西日本(大阪市)、マツゲン箕島硬式野球部(和歌山県有田市)と、地区予選を勝ち上がった三菱重工West(神戸市など)、日本製鉄瀬戸内(兵庫県姫路市)、日本生命(大阪市)が出場する。

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