【専用の「のこぎり鎌」を使って稲刈りする上野北小の児童ら=伊賀市西山で】
稲刈り体験学習「たなだ学校」が9月16日、三重県伊賀市の西山地区で開かれ、市立上野北小学校(田中智彦校長)の5年生21人が地元住民に教わりながら手刈りした。天日や風で乾燥させる「はさ掛け」の作業も手伝い、約200平方メートルの田んぼに実ったもち米約100キロ分を収穫した。
この取り組みは地域住民で組織する「西山の棚田振興協議会」の主催で、今年で3回目。西山の棚田は、背後の高旗山(標高約710メートル)からの清流と粘土質の土壌、寒暖差の大きい気候で良質な米が生産されることで知られ、2020年4月には国の棚田地域に指定された。
稲刈り前には同振興協の副会長を務める重倉成則さん(82)が「皆さんが5月に手植えをした苗は約4か月経って立派なお米に成長した。米作りは大変な作業も多く、簡単には収穫できない。農家の人たちに感謝して食べてください」とあいさつした。この日は保全活動などに協力する地元企業で複写機やプリンターのトナー製造などを手掛ける「上野キヤノンマテリアル」(同市三田)の従業員や県市の職員ら約40人も参加した。
稲刈りは初めての体験だった小西快青さん(10)は「ずっとしゃがみ込んでの作業なので疲れたが、うまく刈り取れたと思う」と感想を話した。収穫したもち米は精米後に学校へ届けられ、児童たちが調理実習で「おこわ」を作ったり、地域のイベントで販売したりする予定だという。
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