【集まった市民に礼を述べる北川市長=名張市蔵持町里で】

 三重県名張市の課題などについて市民と共有し意見を求める「まちづくり懇談会」が8月22日夜、同市蔵持町里のベルウイング武道交流館で開かれ、市民41人と市の幹部ら15人が参加した。北川裕之市長は5月に延期を発表した中学校給食について、実現に向けた目標時期を今年度中に改めて表明する考えを示した。

 懇談会は市内5か所で開かれる予定で、この日は初回だった。内容は市を取り巻く状況と課題、行財政改革、市立病院の経営状況、中学校給食の延期などに関する説明と意見交換。前半、北川市長は市の借金や扶助費増加など厳しい財政状況について、資料を用いて約40分間説明した。

身振り手振りを交えて市民からの質問に回答する北川市長

 その後、市民からは中学校給食を巡る質問が相次いだ。「若い人たちの期待が高かった。どのぐらいまで延ばすのか」「県内で提供していないのが名張だけなのに、それで若い人に残ってほしいというのはどうなのか」など、早期の実現を求める声が上がった。北川市長は「いつまでも置いておける話ではない。今年度中には『何年ぐらいをめどに提供』ということを明示できるようにしていきたい」と述べた。

産科問題も「年度内に方向性」

 また、今年1月から市内で分娩できる産科がなくなった問題について北川市長は自ら言及し、「行政が資金的支援をする仕組みを作らないと、名張で分娩施設を続けてもらうことは難しい。財源をどう作るか研究し、年度内には何かしかの方向性を示したい」とした。

 市民からは他に、「懇談会の開催が遅すぎる」「桔梗が丘でも開催してほしかった」「市のキャッチコピーは不真面目に聞こえる」といった意見も出た。

 23日以降の懇談会の日時と場所は次の通り。事前申し込み不要。

▼23日午後6時30分から、美旗市民センター(美旗町南西原)

▼24日午後2時から、市防災センター(鴻之台1)

▼29日午後6時30分から、市教育センター(百合が丘西5)

▼30日午前10時から、つつじが丘市民センター(つつじが丘北5)

 問い合わせは、市行政・デジタル改革推進室(0595・63・7302)まで。

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