【錦生保育所=名張市安部田】

 三重県名張市は、来年3月末で市立錦生保育所(安部田)を閉園し、市立赤目保育所(赤目町檀)に統合すると発表した。少子化による園児数の減少や施設の老朽化が理由で、8月8日の市議会教育民生委員会協議会で市が方針を明らかにした。

 市保育幼稚園室によると、錦生保育所は定員45人で、1、2歳児と3歳から5歳児の2クラスで運営。現在は15人が利用しているが、来年度は10人を下回って1クラス編成になると見込まれ、市は「社会性を育む保育環境としては望ましくない」としている。

 建物は鉄筋コンクリート造平屋建てで、築49年が経過し、屋上の防水や外壁塗装などが劣化している。雨漏りにより火災報知機や避難誘導灯の故障も発生するなど、大規模な改修工事が必要な状況だという。市は今後10年間の光熱水費と改修費で計約1億1500万円を見込んでおり、統合によるコスト削減も図る。

 錦生保育所の在園児については、希望に応じて東に約1・4キロ離れた赤目保育所や、市内の他の保育施設を優先的に利用できるよう調整していくという。

 市は6日に保護者や地元自治会などへの説明会を開催。「急すぎる」といった意見の他、4歳児の保護者からは「卒園まで残り1年間、延期してもらえないか」といった声が上がったという。市は今後も、保護者らへの説明を続けていく方針。

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