【不審者役と相対する名張署員=名張市平尾で】

 三重県名張市平尾の近鉄名張車庫で7月29日、走行中の列車内で刃物を持った不審な男が暴れたという想定で、テロ対策の合同訓練があった。警察や消防、近鉄の関係者ら約60人が参加し、実際の車両を使って行われた。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/8qoqGmOXU0A)〉

 名張署の安達一人署長は訓練前のあいさつで、今年5月に東京メトロ南北線東大前駅で発生した大学生切り付け事件に触れ、「このような事件が三重県で起こらないとも限らない。大阪・関西万博が開催されており、県内では11月に全国豊かな海づくり大会が開催される。官民が一体となった取り組みを推進していく必要がある」と参加者に呼び掛けた。

 訓練は、刃物を手にした不審者が「死ね」などと叫びながら乗客2人を襲う場面を想定。近鉄社員が盾を使って他の乗客役を避難させた後、駆け付けた警察官が不審者役を制圧。消防隊が負傷者役を搬送するまでの一連の流れを確認した。

 その後、列車から不審物が見つかったと想定。県警本部の爆発物対策部隊が防護服を着用し、マジックハンドを使って不審物を慎重に回収する訓練も行った。

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