【フラダンスを踊る濱田さん(本人提供)】

 ハワイに魅せられ40年――。400年以上の歴史がある大德寺(三重県伊賀市馬田)の住職、濱田成正さん(62)は、ハワイを代表する花の一つプルメリアを栽培し、フラダンサーとしても活動する「アロハ和尚」として人生を謳歌している。

プルメリア

 サーフィンに没頭していた大学生のころ、ハワイのマウイ島に住むプロサーファーと知り合ったのがきっかけ。訪れた自宅の庭先に咲いていたプルメリアに魅せられた。ハワイアンレイの素材などとして知られ、文化や伝統にも深く結びついた花を、いずれは日本でも育ててみたいと思ったという。

 就職していた30年前、プルメリア栽培に挑戦し始めた。日本の気候では花がつきにくく、冬に何回も枯らしてしまった。SNSもなかった時代、悪戦苦闘。それでも研究を続けるうちに知り合った仲間と情報交換する中、挿し木で増やすことに成功した。噂を聞きつけた知人などに分けていたが、あまりにも欲しいという依頼が増えたので、イベントなどで販売も始めた。

 20年余り前に父親から住職を継承。現在、同市平野東町の自宅に「香りが漂う」の意味を持つ「MOANI Flower Garden」と名付けた約18平方メートルの手作りハウスに150品種、200鉢以上のプルメリアの他、レフアなどハワイを代表する植物30種類以上を栽培、新品種も育てている。

僧侶の姿で自宅前に立つ濱田さん

 更に6年余り前からフラダンスを始め、大阪府大阪狭山市と伊賀市で妻の幸子さん(63)が主宰するフラダンス教室のカネダンサー(男性フラダンサー)チームの一員として年に10回程度、市内外でステージに立っている。

 濱田さん夫妻が暮らす住まいは、オアフ島のワイキキビーチに並ぶ「ロイヤルハワイアンホテル」を真似たピンク色の外壁で、玄関アーチやベランダも模しており、近しい人から「ロイヤルハマイアン」と呼ばれているそうだ。自宅では約10年前から全国に住むハワイ好きを招待してプルメリア談義に花を咲かす「プルメリアサミット」を年に1回開いているそう。

 「日本以外で好きな場所はハワイ。ハワイ一筋」と濱田さん。ハワイは仏教ともつながりがあるといい、自然崇拝などの文化にも感銘を受けているそうだ。「大好きなハワイの花をもっと身近に感じてもらい、普及したい。カネダンサーも増やしていきたい」と話す濱田さんの「アロハ和尚」としての活動や「プルメリアサミット」の告知は、自身のインスタグラム(@moani_flowergarden)で発信している。

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