任期満了に伴う三重県伊賀市長選で初当選を果たした稲森稔尚市長(41)が11月21日、市役所に初登庁した。職員への就任あいさつでは「怖がらず、楽に聞いてください。継続性を大切にしながら一緒に改革、変革を目指していきたい」と、市長交代で12年続いた市政がどう変わっていくか、不安や緊張の表情で待っていた職員らを前に説明し、協力を求めた。
稲森市長はこの日、JR関西線の新堂駅から伊賀上野駅で伊賀鉄道に乗り換え、下車した四十九駅から約1キロ歩いて登庁。市役所玄関前や1階ロビーには職員らが大勢出迎えた。あいさつの中では「市長が持つ大きな権限は市民の皆さんからお預かりしたものであるということを強く意識した行動を、市長自らが出向く姿勢を心掛けていきたい」と抱負を述べた。
任期中に取り組みたい市政のテーマには「公共サービスの立て直し」と「子どもも大人も育つ地域をつくる」の2つを挙げた。これまでの市政運営では「行政コストの削減を重視する余り、十分な説明や合意形成が無いままに物事を進めていった部分も否めない」と指摘。市民の参加と協働を市政の基本に「地域力を高める視点から公共サービスの立て直しを進める」との方針を示した。
あいさつ後は取材に応じ、11日の当選証書付与式が終わった後の会見で発言した副市長人事案の提出について「勘違いだった。任期が残っているので、提案する必要がなかった。宮崎寿副市長と谷口修一教育長にはもともと、継続してやって頂けたらと思っていた」と釈明。18歳成人式については「市長選で速やかに見直すと訴えてきた。早速、来年度から行わないということを指示した。どう移行していくか検討してもらっている」と改めて実施しない考えを示した。
通勤の手段については、自宅からマイカーを運転し通うのを基本とするが、「月に一度ぐらいは鉄道も利用したい」と述べた。