【サッカーゴールを使ったペット用スペースと、訓練に参加した犬=名張市つつじが丘北5で】

 三重県名張市は5月12日、災害時に避難者が飼っているペットを避難所で一緒に受け入れるための「ペット同行避難訓練」を初めて実施した。会場のつつじが丘市民センター(つつじが丘北5)には参加者約50人とペット約20匹が集まり、一連の流れを体験した。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/hCjz_noACQg)〉

 東日本大震災の時の教訓から、国は2013年に飼い主とペットが一緒に避難する「同行避難」を推奨する方針を示している。一方、避難所では動物が苦手な人やアレルギーを持つ人への配慮などが必要で、元日の能登半島地震の被災地でも、飼い主がペットのために自宅に留まったり、車中泊を選択したりするケースがあり、災害時にペットとどう避難するかが大きな課題となっている。

 この日の訓練は、南海トラフを震源とする震度6弱の地震が発生したとの想定で実施。回覧板で開催を知った住民の他、別の地区の自治会関係者らも参加した。集まったペットは犬がほとんどで、他は猫が1匹だった。

 受け入れを前に、市職員らは行事用のテントやサッカーゴールなどを使ってペット用のスペースを設営。ゴールを使ったスペースでは、ブルーシートをかぶせて屋根を作り、ハードルとベニヤ板を使って仕切りを設けた。

 受け付けが始まると、飼い主たちはペットの情報を書き込む台帳に名前や種類、性別、毛色などを記入。番号の書かれた札を職員から受け取り、指定された場所にペットを誘導した。中には、ブルーシートの臭いを嫌って用意された区画に入ろうとしない犬もいた。

 地元のつつじが丘自治連合会の副会長、薬師寺光さんは「地区でペットを飼う人は多く、受け入れは必要になってくる。今後もよく話し合っていきたい」、トイプードル2匹を連れて近所から参加した一間哲志さんは「ペットと一緒に避難する訓練は初めてで、有意義だった。実際の災害時にどうなるかは、不安がある。住民同士が日頃からコミュニケーションを取ることが大事だと感じた」とそれぞれ話した。

 訓練に協力した獣医師の佐々木直さんは「一緒に避難する際はペットフードやケージなども必要になる。飼い主は、災害時にすぐに持ち出せるよう備えるべき」と指摘した。

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