【バードケーキを木の幹に取り付けた金網に塗る柴さん(右)と由巳さん=伊賀市柘植町で】

 5月10日から16日は愛鳥週間。三重県伊賀市柘植町の余野公園に隣接するカフェテラス「アゼリア」の庭には、メジロやヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリなど10種類以上の野鳥と野生のリスが訪れ、愛らしい姿を見せる。目当てはオーナーの柴勇陛さんと母親の由巳さんが心を込めて毎朝手作りする「バードケーキ」などの餌だ。

バードケーキをついばむメジロ

 由巳さんによると、1995年の開業間もないころ、野生のリスのために切り株に細かく切ったパンを置いたところ、野鳥がやってくるようになった。すると、客として訪れた野鳥の会のメンバーが鳥のことをいろいろと教えてくれるようになり、竹を切って作った餌台や巣箱なども置くようになった。

冬の餌探しの助けに

 バードケーキは、サンドイッチなどを作る際に出るパンの耳と小麦粉に溶かしたラードを加え、混ぜて作る練り餌。野鳥の会のメンバーが、虫などが少なくなる冬場の餌探しの過酷さについて話してくれたのをきっかけに作るようになった。材料の小麦粉は、賞味期限切れのものを常連客が寄付してくれたりする。

野生のリス(提供)

 給餌の際は、木に取り付けた金網にへらを使って塗り付けている。野生のリスも好んで食べており、多い時は3匹が木の幹を駆け下りて姿を現すという。

野鳥の帰りを心配

 30年近くになる野鳥との関わりについて、由巳さんは「店を開くまではスズメやツバメくらいしか分からなかったが、野鳥の会の人にいろんなことを教わった。今では、季節ごとに移動する鳥の帰りが遅いと心配になったりする」と話す。13年前からオーナーを務める柴さんは「やっぱり可愛らしい。鳥がきっかけでお客さんとの話が始まることも多い。野鳥との関係をこれからもずっと続けていけたら」と話した。

餌台を訪れたヤマガラ
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