【「突然な閉鎖でご迷惑をおかけすることを心よりお詫び申し上げます」と書かれた説明会の案内文のコピー】

 三重県伊賀市阿保の青山保健センター運動施設にある歩行訓練用温水プールの運営継続を求めた請願に対し、伊賀市議会は全会一致で採択した。岡本栄市長は採決後の取材で「粛々と進める」と答え、新年度の当初予算からプールの運営経費を削除し、3月末で閉鎖した。

 請願者で住民団体「継続を求める有志一同」の共同代表を務める竹本昇さん(74)は3月22日にあった本会議で採決の様子を傍聴し、「議会の良識と誇りが守られたと受け止めている」と話した。しかし、岡本市長がプール閉鎖の方針を変えないため、26日に閉鎖の取り消しを求めて質問書を提出。文書での回答を要請した。

 市はプールの閉鎖について、2015年策定の公共施設最適化計画に基づき、青山保健センターの機能は他の施設に移転する「複合化」と一部の廃止、建物は譲渡または貸付とする方針が決まっていると主張。地元地区には昨年3月と5月に説明したという。同12月の市議会一般質問では、岡本市長が「地元の方とも十分相談をした上で決定されたこと」と答弁した。

 住民団体はこれに対し、利用者への説明が同年6月だったことから「閉鎖は唐突」と主張。同計画についても「機能の一部廃止が運動施設やプールだとする具体的な記載がない」と指摘し、代替案を示した利用者アンケートの結果として「今年度に限りプールを除いた運動施設を運営する」との激変緩和措置についても、住民団体は「最初からプールの廃止を前提としている」と市の対応に不満を示している。

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