【展示する五感書を手にする福地さん=伊賀市希望ヶ丘で】

 「五感で感じる書」の意味を込めた五感書をしたためる三重県伊賀市希望ヶ丘の書家、福地幸さん(58)が、同市新堂の北伊勢上野信用金庫柘植支店で個展「imagine展」を開いている。期間は3月29日まで。観覧自由。

 五感書は地域づくりの関係者らが、福地さんの書風を見て名付けた。透明感のある淡い筆遣いが特徴で、伝統工芸品の伊勢和紙や鈴鹿墨など、三重県産の天然素材にこだわる。

 本格的に書に触れたのは30年ほど前、5歳になる娘と習字を始めたことを機に技術を磨き、以降は市内や東京で展示会を開催。2000年には師範の資格を取得し、翌年に自宅で教室を開いた。

 名張の障害者支援施設や大阪の文化サロンでも講師を務めていたが、昨年4月からは自身の創作に専念。「暮らしに溶け込む書」をテーマに、日常生活でふと浮かんだ言葉を思いのまま用紙にしたためる。

 個展では、額縁に飾ったものやキャンバスに貼り付けたものなど大小さまざまな11点が並ぶ。藍染めした和紙や伊賀くみひもを使った作品、手作りした桜の木の筆で書いたものもある。

 作品は伊賀市役所(同市四十九町)でも4月から展示予定。木の皮やミツマタの枝に書いた立体も展示予定だという。

 福地さんは「字を見てその先の景色を想像して頂ければうれしい。忙しい日々の中、心豊かに気持ちを落ち着けてもらえれば」と来場を呼び掛けた。

 展示は平日の午前9時から午後3時まで。

 作品に関する情報は自身のホームページ(https://www.ko-bo-syoan.com/)で発信している。

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