【試作したカードゲームに取り組む森永さん(中央)と参加者たち】

 俳聖・松尾芭蕉の生誕から380年。大人も子どもも俳句の楽しさや奥深さをもっと知ろうと、「せんせいの句会」という集まりが2021年夏に発足した。小中学校教員を中心に、その家族や退職教員、俳句に関心のある有志ら約20人が、月1回のオンライン句会や研究を重ねている。

 参加者の年代は20代から70代まで幅広い。発起人で、会を主宰する名張小学校教諭の森永侑樹さん(31)(三重県名張市桔梗が丘5)は「子どもたちに教えるためには、俳句の楽しさを知り、伝えられることが大事。まず自分たちが俳句を楽しもう」と、発足のきっかけとなった思いを語る。

 顔を合わせて時間を共有することが句会のだいご味で、オンラインでも対面でも、句は詠み人を伏せて披露。俳人の坂石佳音さん(58)が助言を挟みながら、良いところを発表し合うと、いつの間にか時間が経っているという。

 1月下旬の集まりでは、子どもたちに俳句に関心を深めてもらえるよう試作したカードゲームを実際にメンバー同士でやってみた。17音のうち2音が虫食いになった句に、2字の単語が書かれたカードを当てはめて意味を考えるもので、思いがけない解釈が発表されると、驚きの声も上がっていた。

 家族とも定期的に句会を楽しんでいるという森永さんは「自分たちは芭蕉さんの地元で、誰でも詠むことのできる俳句に幼いころから親しんできた。(毎年10月の)芭蕉祭を伊賀が誇れるイベントにしていけたら」と思いを語った。

 活動予定などはウェブサイト(https://senseinokukai.amebaownd.com/)に掲載している。

2024年2月10日付861号1面から

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