【名張署庁舎=名張市蔵持町芝出】

警備課長 百々雅史

 まず、本年1月1日に発生した能登半島地震で被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。「災害はいつやってくるか分からない」とよく言いますが、元日の夕刻に発生し大きな被害をもたらした今回の地震は、まさにそのことを私たち皆に突き付けた地震であったように思います。

 私たちが住む三重県でも近い将来、南海トラフを震源とする東南海・南海地震が発生すると予想されています。その発生確率は今後30年以内で70%から80%とも言われており、県が公表している「地震被害想定」によれば、伊賀地域で予想される理論上の最大震度は、名張市、伊賀市で震度6強となっています。能登半島地震において多数の建物が倒壊した輪島市、珠洲市などで観測された震度が震度6強であったことから、私たちも災害に向けた備えを今一度、見直してみる必要があるかもしれません。

 さて、警察では、今回のような大規模な災害が発生した際には、発災直後から速やかに災害警備体制を構築するとともに▼避難誘導▼人命救助▼交通規制▼犯罪の予防取り締まりなどの活動ができるように日頃から備えを進めております。また、各都道府県単位で設置されている「広域緊急援助隊(略称・広緊隊」は都道府県の枠を超えて出動し、被災地で救出救助活動や緊急交通路の確保などの活動を展開します。

 その一方で、過去の大きな災害が発生した際には、残念なことに被災地におけるボランティアを装った、いわゆる「火事場泥棒」のような犯罪や、義援金を装った詐欺と疑われる事案などが発生しています。一部の報道では今回の能登半島地震でも同様の悪質事犯が発生したと伝えられており、警察では被災地における防犯パトロールを実施し、警戒の強化を行います。

 伊賀地域にお住いの皆さまにおかれましては、ライフライン(電気・水道・ガス)が途絶した場合の過ごし方や非常食の備蓄、避難先の確認など、一人ひとりが実行できる災害対策を進めるとともに、大災害が発生した時などにおいては、警察が実施する救出救助活動や緊急交通路の確保、防犯パトロールなどの警察活動にご理解とご協力をよろしくお願い致します。

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