【講演する中森さん=伊賀市で】

 鎌倉時代に東大寺の再建に尽力し、同寺の伊賀別所として新大仏寺(三重県伊賀市富永)を創建したことでも知られる重源上人(俊乗房重源、1121‐1206)について学ぶ歴史講座が、2月4日午後1時から、伊賀市平田の大山田小学校そうぞの広場で開かれる。参加無料。当日参加可。

 講演では、皇學館大学大学院で中世史を学んでいる同市中馬野の中森和輝さん(23)と、父で大山田むらびとづくり推進会議事務局長の旭さん(58)が、重源と伊賀地域との関わりについて話す予定。

 中森さんは小学6年生の夏、奈良国立博物館で開かれていた重源展を訪れ、自由研究にまとめたことがあった。歴史を学び、教員を目指そうと進んだ同大では、日本中世史を専門とする多田實道教授のゼミで学び、鎌倉時代を中心に文献や史料と向き合っている。

 中森さん親子によると、重源上人の名は聞いたことがあっても、人物像や功績を詳しく知る人は地元でも多くないという。東大寺再興に向けた用材調達の拠点の一つと位置付けられた伊賀別所だが、重源上人の晩年に設けられたため、直接的な史料は少ないそうだ。

 2人は「重源上人を学んでいくと、周囲を巻き込んでいく力や実行力が強い、という印象。大山田にゆかりのある偉人をたくさんの人に知ってほしい」と来場を呼び掛けた。

 申し込み、問い合わせは布引地区市民センター(0595・47・0928)へ。

2024年1月27日付860号15面から

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