【持ち出し袋に備えたい品】

 近い将来、必ず起きると言われている南海トラフ巨大地震。三重県の「理論上最大」の想定では、伊賀市、名張市ともに震度6強の揺れが襲うとされている。大地震が突然発生したらどう身を守り、家族の安否を確認するのか、どのような備えが必要か、政府がホームページで出している情報を基にまとめた。

身の安全確保

 揺れを感じたら、落ち着いて、机の下にもぐったり、頭を座布団で覆ったりして身の安全を確保する。家具の転倒やガラスの飛散に注意し、戸などを開けて逃げ道を確保する。火の始末も重要だが、揺れが激しい間は無理をしない。

外出先の場合

 路上では瓦が落下してきたり、ブロック塀が倒れてきたりする。かばんなどで頭を保護し、広い公園などが近くにあれば一時的に避難して様子をみる。

 オフィスや商店が建ち並ぶ場所では、看板やエアコンの室外機などが落下してくる危険性がある。海の近くでは津波に警戒し、安全な高台や避難地を目指す。山では落石に注意し、急傾斜地など危険な場所から離れる。

移動中の場合

 車の運転中は、ハンドルをしっかり握ってスピードを落とし、道路の左側に停車する。車から離れる場合、キーはつけたままにし、ロックしない。連絡先を車に残す。電車やバスなどに乗っている時は、急停車することがあるため、手すりやつり革につかまる。

揺れが収まったら

 災害時はデマが飛び交うこともあるため、テレビやラジオ、市役所のホームページなどから正しい状況を把握し、行政から避難の指示や勧告などが出たら従う。危険が迫っていると判断したら、ためらうことなく避難する。家を離れる時は電気ブレーカーを切り、ガスの元栓を閉める。

安否確認の方法

 地震などの災害が発生すると、被災地への電話が殺到して回線が混雑し、メールも届きにくくなる。総務省は、安否確認の方法として災害用伝言サービスの利用を勧めている。

 災害用伝言サービスには、音声による「災害用伝言ダイヤル」と、文字による「災害用伝言板」がある。

 災害用伝言ダイヤルは「171」に電話し、ガイダンスに従って連絡をとりたい相手の電話番号をダイヤルする。伝言は1回につき30秒以内で、最大20本。

 災害用伝言板は携帯電話各社のサイトに案内が表示される。現在の状態について「無事です」などの選択肢から選んで登録する。100文字以内でコメントも入力できる。

非常用持ち出し袋の用意を

 自宅が被災した時は、避難生活を送ることになる。非常時に持ち出すべきものをあらかじめリュックサックに詰めた「非常用持ち出し袋」を用意し、いつでも持ち出せるよう準備したい。

 災害時には電気やガス、水道などのライフラインの他、物資の供給が止まる可能性がある。

 その状況でも自力で生活できるよう、非常用持ち出し袋に加えて普段から自宅で飲料水や非常食などを備蓄しておくことが大切。備蓄は、広い地域に被害が及ぶ可能性のある南海トラフ地震の場合、1週間以上の備蓄が望ましいという指摘がある。

2024年1月13日付859号23面から

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