【第1走者からのバトンを受けて走り出す保坂さん(右)(提供写真)】

 2023年11月にフィリピンで開かれた陸上競技の「アジアマスターズ選手権」で、三重県名張市つつじが丘北9の会社員、保坂政志さん(53)が1600メートルリレー(M50クラス)の第2走者として優勝を果たした。これまでにM40、M45クラスでもリレーや個人種目で優勝しており、3つの年代での金メダル獲得となった。

これまで獲得したメダルと賞状を持つ保坂さん

 上野工業(現・伊賀白鳳)高時代は短距離選手で、長男が陸上競技を始めた30代のころにランニングを再開。30代後半からは国内のマスターズ大会に出場し、44歳で臨んだ2014年のアジアマスターズでは1600メートルリレーのアンカーを務めて優勝。M45クラスとなった16年は200メートル、400メートル、1600メートルリレーの3種目を制し、17年には世界マスターズにも出場した。

 陸上クラブには所属せず、休日に自宅周辺を走ったりトレーニングに汗を流したりし、独自の調整を続けて各年代の短距離の三重県記録を次々と更新してきた。

 アジアマスターズのリレーは過去2年の自己記録を基に選考される。保坂さんは大会に向けてオーバーワークになった影響で、出場予定だった200、400メートルを辞退し、リレー1本に絞った。決勝では第1走者が保坂さんの目前で転倒し、かろうじてつないだバトンを手に先頭を奪回して差を広げた。

 「仲間がいてくれるからこそ力が出せる」リレーのだいご味を強く感じたそうで、今大会で同クラスの400メートルリレーに出場した元五輪日本代表の朝原宣治さん(51)とも交流が生まれた。

 「これからも世界1位を目指して頑張りたい」と抱負を語る保坂さんは「その先は後進の指導・育成に携われたら。子どもたちには、目先だけを見ず『陸上をやっていて良かった』と思ってもらえるように、自分の経験を伝えていきたい」と、もう一つの目標を口にした。

11月の大会で400メートルリレーに出場していた朝原さん(右)と(提供写真)

2023年12月23日付858号2、3面から

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