三重県名張市を拠点に活動する男声合唱団「桔梗グリークラブ」が、コロナ禍で2年間開催できなかった創立15周年記念演奏会を12月24日午後2時から同市松崎町のadsホールで開く。
2006年に桔梗が丘公民館の主催講座として発足し、市内でおきつも女声合唱団を指導していた声楽家、藤原保信さんを指導者に迎え、男声合唱団として活動を開始。毎年定期演奏会を開いてきた。
メンバーは40代から90代までの15人。藤原さんは「コロナ禍で発表会を中止するなど合唱団にはつらい時期だった。しかしこの2年間でじっくり練り上げた結果、今回は熟成された内容の演奏会になる」と話す。
演奏会は、オープニングの宮城県民謡「斎太郎節」から始まり、男声合唱のための唱歌メドレー「ふるさとの四季」、シューベルト作曲の歌曲「冬の旅」より「おやすみ」「菩提樹」の他、客演の「おきつも女声合唱団」と共演する「愛燦燦」「大地讃頌」など、多彩な内容だ。ピアノは上野あゆみさん。
中でも力を入れているのは信時潔作曲の男声合唱組曲「沙羅」だ。藤原さんは「日本歌曲の夜明けに当たる曲」と言い、狂言風に歌う「鴉」や浄瑠璃風の「あづまやの」など、それぞれが独立した8つの曲で構成されている。
団長の奥田宏さんは「曲ごとに表現の仕方が全く違うので、1曲ずつ気分を変えて歌わなくてはならない。難曲だが、練習の成果をじっくり聞いてほしい」と話している。観客と一緒に「きよしこの夜」を歌うコーナーもある他、フィナーレでは日本の名曲「平城山」「ふるさと」を歌い上げる。
入場料は一般1000円、高校生500円、中学生以下は無料。奥田さんは「心に響く重厚な男声と繊細で清らかな女声との混声合唱も楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。
問い合わせは福森さん(090・2777・5025)まで。