【作品を手にする牧戸さん=伊賀市阿保で】

 独自の視点やアングルで都市の風景などを撮り続けている、三重県伊賀市阿保の牧戸勲さん(83)の写真展「印象を撮る」が、12月8日から10日まで、同市上野忍町の武家屋敷赤井家住宅で開かれる。市街地の歴史ある建物で、人工的な直線や曲線が織りなす造形美が不思議な世界を生み出す。

 大手農業機械メーカーの研究部門に長年勤務し、60歳の定年を機に「何か打ち込めるものはないか」と考え、始めたのがカメラだった。大阪の文化教室に月3回、約11年間通って腕や感性を磨き、全日本写真連盟の支部や地元の写真愛好家グループなどの仲間たちとも親交を深めてきた。

 撮影場所は大阪、名古屋などの都市部だが、新型コロナの影響でここ数年は遠出をしなかった代わりに、JR関西線・近鉄大阪線沿線や津、宇陀、笠置など、伊賀地域とその周辺で撮影を重ねた。以前は人物のスナップや日本各地の祭り、県内の漁港なども題材にしていたが、今回の個展には登場しないという。

 70歳の時に開いて以来13年ぶり2回目となる今回の個展には、四つ切から半切サイズまで約35点を出品予定。牧戸さんは「80歳で開くはずだった個展がコロナの影響で延びたが、写真仲間や来てくださる方に精いっぱい自分の写真をアピールできたら。これから先も米寿、卒寿などの節目に写真展を開きたい」と意気込みを語った。

 写真展は各日とも午前10時から午後5時まで。入場無料。

 問い合わせは牧戸さん(080・1622・3440)まで。

2023年11月25日付856号4面から

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