【入賞作品を手にする中島さん=伊賀市荒木で】

CF活用、商品化へ

 趣味の洋裁からふと浮かんだアイデアを基に、三重県伊賀市荒木の主婦、中島リエさん(52)が考案したスマートフォン用カバー「下からスマホ」が、一般社団法人発明学会主催のコンクール「身近なヒント発明展」で応募全作品1525点の中から大賞に次ぐ優秀賞5点の一つに選ばれた。「初挑戦でまさかの入選。評価して頂けてうれしい」と喜び、来年にはクラウドファンディング(CF)を活用し商品化を目指す。

下から一瞬で取り出せる

 応募時に付けた作品名は、肩や首にかけたスマホのカバー下部から一瞬で本体が取り出せる特長を分かりやすくするためで、試作品には皮革を使用。服のようにスマホも着せ替えができるという意味を込め、商品化時はイタリア語の「服」と掛け合わせた「スマホアビティ」という新たな名で展開する。

 受賞の知らせが届いたのは11月初旬。審査は書類選考の後、「トップ100」に選ばれた上位の試作品が10月に東京都内で展示され、協賛企業と一般見学者の投票で受賞者が決まった。

 熊本出身の中島さんは高校時代に洋裁を学び、これまではミシンでミニチュアの服やペットボトルにかぶせるカバーなどを作ったりしていた。スマホカバーのアイデアは、夫の敏雄さん(58)の助言がきっかけ。「ポーチの場合は上部から入れる感覚だが、下部から出し入れする『逆転の発想』が評価されたのでは」と話す。

 CFでは首掛け用と肩掛け用の2種類を準備する計画だ。中島さんは「雑貨大手の店舗に自分の商品が並んでいるのを見てみたい」と夢を膨らませている。

2023年11月25日付856号2面から

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