【資機材を担ぎながら校舎壁面をロープ伝いに降りる隊員=名張市百合が丘東6】

 三重県名張市消防本部は12月2日、県立名張青峰高校(百合が丘東6)の校舎などを使った救助訓練を行った。生徒たちが見守るなか、隊員たちはロープやはしごなどを使って建物を乗り越えたり、のり面を降りたりする複雑な救助事案の一連の流れを実践した。

負傷者に見立てた人形を乗せた担架を斜面の上に引き上げる隊員たち=同

 訓練には、特命救助チームの隊員15人が参加。50代男性作業員が斜面の下に転落し、2階建ての建物を乗り越えないと現場にたどり着けないと想定して行った。

 隊員たちは生徒玄関脇の高さ約9メートルの渡り廊下の屋上にはしごで登った後、地上まで垂らしたロープで中庭に降りた。更に高低差約6メートル斜面を降り、開始から約30分で現場に到着。負傷した男性に見立てた重さ70キロの人形を担架に乗せ、来たルートを引き返して運び出した。

 訓練を見守った野球部2年の朝日寛太さんは「連携がとれていて、しっかり練習しているのが伝わってきた。自分たちもチームの団結力を更に高めたい」と話した。

 名張消防署消防救助室の宮阪昇室長は「隊員たちは初見の現場でやったが、うまく対応できていた。あらゆる事案に備えたい」と話した。

担架を校舎の渡り廊下の屋上に引き上げる隊員たち=同
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